社会福祉法人のスタッフインタビュー
高齢福祉
奈良地域ケアプラザ 勤務
Mさん
介護の仕事を「楽しい」と感じて…
私は「奈良地域ケアプラザ」という施設でデイサービスの仕事をしています。といっても、もともと高齢福祉の世界に強い興味や関心があったわけではありません。通っていた大学を家庭の事情で辞めた後、母親の影響もあり「介護の仕事をしながら通信制に通おう」と思ったのがきっかけです。
ところが実際に介護の仕事をしてみると、それまでのイメージとはまるで違いました。いままで考えたこともなかったのですが、高齢者の方とのふれあいを「楽しい」と感じたのです。そこで、本腰を入れて介護の道に進むことにしました。
高齢になった自分が「心地よく感じる」サービスを
この仕事をしていて最もうれしい瞬間は、利用者さんやご家族の方から感謝の言葉をいただくときです。もちろん、お礼を言われたいために仕事をしているわけではありません。それでも「ありがとう」とか「ここに通いたい」という声に、自分の存在価値を認めてもらえたように感じています。
高齢者の方に接していると、正直、腹の立つことが無いわけではありません。ただそのときの相手の言葉や行動はとても「人間」らしくて、少し失礼かもしれませんが「かわいい」とも感じられるんです。自分もいつか同じ年齢になるわけですから、そんな「高齢になった自分」が心地よく感じるようなデイサービスを提供したいと思っています。
「聞いて同情する」ことしかできないもどかしさ
ここでの仕事は日々勉強です。デイサービスで接する高齢者の方々からは「(体力の)現状維持に努力する姿勢」や「他者へのおもいやり」を学ばせていただいています。
一方で利用者の方々が感じる「苦労」や「寂しさ」にどうすることもできず、悔しい思いをすることも少なくありません。たとえば地方から一人で来られた方が「住み慣れた家で最後を迎えたかった」とおっしゃることがあります。そんなとき「傾聴して、思いやる」ことしかできないというのは、とてももどかしく無力感を感じますが、職員同士で感情を共有しながら乗り越えています。